幼馴染みとの恋。
康太に聞こえるか、聞こえないかの声で。
それと同時に隣にいる岡野さんに聞こえるか、聞こえないかの声で。
でも康太は聞いてくれた。
俺のこんな小さい声も。
「...無理に吹っ切れなくてもいいんじゃない?
頑張れよ。」
なぁ、何でお前は俺にそんな優しくしてくれるんだよ。
「ありがとう。」
これぐらいしか言えないけど。
もっともっと感謝の気持ちでいっぱいなのに。
「ごめんな。」
「いえいえ♪イイってことよ
...そういや、6月期末テストやるよな?
勉強、大丈夫か?いや、悠弥は完璧だな。そうだ。俺に教えてくんね?
いやー、俺さ、理系無理なんだよねー。ほら、悠弥って理系大じょ「ねぇ、浅中くん。」
気を利かせて話題を作って喋ってくれた康太に被せて俺に話しかけたのは康太に気を利かせた本人だった。
「...何?」
俺に、興味無いんだろ?
あいつの方がいいなら向こう行けよ。
そんな考えばかりよぎってくる。
馬鹿だなぁ、俺。
ガキみてぇ。