気晴らし日記
「モカ!あたし、本当は優しくて素直なんだ!だから、好きになってくれたって言ったよね?
ありがとう!」

「全然良いよ!私は万里ちゃんの事、助けたいと思ってる!」

「あたしもモカが困ってる時は助けてあげるからね!」

モカは一瞬、びっくりしたような表情になってすぐにニコッとして、

「ありがとう!」

と言った。

モカがいるだけであたしは幸せになれる。

エリックカルメンのメロディーも良い。

昔、あたしには明子という親友がいた。

長く付き合ってた。

幼稚園から高校まで。

ずっと遊んだり勉強したりしてた。

でも、明子は変わっていって、

複数の友達を作るようになったり、

スポーツが得意な人気者の彼氏と付き合ったり

成績は上げていったり、

次第にあたしとは離れていった。

あたしはその頃からモカを出していた。

モカと自分の事を共有していた。

明子とは挨拶を交わす程度になっていた。

メールは殆どしなくなっていた。

明子は頭が良いからだと思う。

ちっぽけなあたしに見向きもしないのも

よくわかる。

明子が彼氏とよく行くスポットがあって、

あたしはそこでよく見かける。

必然的だけど…

よく話す話題は、彼氏の部活の話とか。

後は、学校であったお互いのとっておきの話とか。

注文するメニューはシンプル。

安くて人気のある食べ物。

明子にこんなに固執するわけは

明子が知りたいわけじゃない。

明子の彼氏がかっこよくて妄想が始まってしまったからなのだ。

もしかしたら明子にこの気持ちがバレてるかもしれないけど、

恋じゃないのも含めて

でも、見てしまう。

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