想ったときに
タイトル未編集
「先生ー疲れた、休憩!」
「まだ10分も経ってないじゃない、ダメ」


俺の名前は野田俊、中3、15歳
1ヶ月前から家庭教師を雇ってる
で、目の前にいるのがその先生の桑原瑠璃、ハタチ


「くそ~~」ふたたびペンをとる
もう20分ねばってやっと休憩

母さんがお菓子と飲み物を持ってくる


「ひゃあっ」バチャンと先生がジュースをこぼした
「ご、ごめん…」
あーまたやってら


先生は賢いけど、どっかぬけてる


こんなだから俺は初対面からタメ口だし
一応「先生」とは呼んでるけど



「先生ってほんとに5こ上?俺よりガキに見えるんだけど」
「…生意気ねー」

とたんにバッと立ち上がる
「そういうことは背をぬかしてから言いなさい」
「ちっ」
それを言われると俺はなんも言えなくなる

「絶対抜かすかんな!」びしっと指をさす俺
「はいはーい」どことなく楽しそうな先生



家庭教師は週2回、1日90分
今日の帰り際、先生を呼び止めた

定期的にやっている、背比べ


「んーくそあと7cm!」
「まだまだ先は長いね~」クスクス笑う先生



毎日牛乳飲んで、よく寝て、運動してんのに!
なんで伸びないんだ、俺の身長!こんちくしょう!



…なんでこんな身長にこだわるかって?

それは俺が
先生を好きだからだ



普段は天然でボーッとしてんのに勉強のときになるとキリッとするとことか
大人っぽい私服とか

たまに香るラベンダー?の香水がなんだか胸をザワザワさせる
大人の香りってやつ?

同級生にはやっぱこんな人いないから


たぶん会って2回目くらいに好きになってた
でも俺こんなだから、素直になれなくて
向こうもガキ扱いして眼中にないだろうし

でも身長が先生を超えたら、何かが変わるんじゃないかって
俺のこと男として見てくれるんじゃないかって

そのときに告白しようって思ってる
だから今はただただ、身長が伸びるのをひたすら待つのみ
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