憧れのコンプレックス
episode 7 ~親友との出会い 成瀬孝side~
「ねみぃー」
高校1年、新学期、春
ポカポカした暖かさにあくびがとまらねぇ
俺の名前は成瀬孝
進学校といわれるこの高校にはスポーツ推薦で合格
だから勉強は得意じゃねーけど、運動神経には並ならぬ自信がある
ぜってーこの学校でバスケ部キャプテンになんぞ!!
と息ついていた
…息巻いていた?
ま、どっちでもいっか!
中学からのバスケ部仲間も何人かいる
…が
ちっ誰ともクラス一緒じゃねぇじゃねぇか
教室の真ん中が変にザワザワしている
そこにはもう人だかりができていて
その真ん中にいる関西弁のチビがみんなを笑かしていた
すげぇな初日からかよ
人懐こそうな笑顔
あの笑顔じゃ人警戒しねぇよなー
ドンっとクラスのやつにぶつかられた
「あ、わ、悪い」俺を見て慌てた様子の男
…俺あれなんだよなー初対面のやつにビビられんだよなー
178㎝の身長とこのつり目がいけねーのか?
机に座ってむにーっと目じりを下げてたら
前の席のあの関西弁のチビと目が合った
げ
「なになに美容体操?」
「は?」あ、恥ずかしさから強めに言っちまった
そんな俺の様子にひるむこともないチビ
「美容体操ならこんくらいやらへんと」
自分の顔を伸ばして押してくちゃくちゃにする
「ぶっっおま顔ひでーから!!」
「おー笑った」
なんだこいつ、俺のこと怖くねーのか
「お前チビのくせに、おもしろいな」
「うぉい!気にしてることをサラッと言うなぁ!」
「そんでおもしろさとチビは関係あらへんから!」びしっと指をさされる
「ぶっはははっ」
俺はこいつのまっすぐ見てくる目と
誰にでも同じ態度で接するところが気に入った
…てかうらやましかったのかもしんねーな
芯と仲良くなって2ヶ月
1人のクラスメイトを紹介された
「かっしー!こっち孝ちゃん。怖そーだけどけっこうアホやで」
「あ、こっちはかっしーな!ガリ勉そうやけどおもろいやつやで」
柏木翔
芯と仲良くなんなきゃぜってー縁がねーやつだと思った
学級委員で優等生でメガネ
気取ってて勉強だけできるつまんねーやつ
…だと思ってたら柏木は意外とお笑いが好きみたいで
あいつのツッコミはなかなかうまくて
気が合った
「相補性だな」
「ソーセージ?」
「…バカは腹減るのが早いな」
「んだよ、バカって言う方がバカなんだかんな!」
「小学生の返しかよ…」
ケンカもするけどな
けどそれも仲いい証拠なんだろーよ
「「お願いします!」」
俺と芯とで翔のノート写し
そんなことはしょっちゅうで
「…焼きそばパン」
「えーあれちょー早く並ばんと買えへんよ」
「じゃあちょー早く並んでくれ」
「孝ちゃん頼む!自慢の俊足で」
「芯行けよーあ、チビだから埋もれちまうか」
「うるせーわい!!」
翔のノート
丁寧な字、と細かな解説
予習・復習もバッチリ
そのノート見てると
クラスで1位とれんのも努力あってのもんなんだろなぁ
と感じる
俺もバスケでしこたま練習するからな
努力するやつは嫌いじゃねぇ
ある朝
芯と2人してマンガキャラのフィギュアをいじっていた
「ええな孝ちゃん、もうちょい右腕を!」
「できた!このポーズかっこよくね?」
「いやここはこうだろ」ひょい、とフィギュアを取り翔もノってくる
「ぎゃははーいやかっしーそれはこえーから!」
ビリビリ
こいつらといると楽しくてビリビリするときがある
俺頭わりぃから深くは考えねぇけど
感覚で感じてるんだ、この2人といるとすげぇ楽しいんだなって
「ねみぃー」
高校1年、新学期、春
ポカポカした暖かさにあくびがとまらねぇ
俺の名前は成瀬孝
進学校といわれるこの高校にはスポーツ推薦で合格
だから勉強は得意じゃねーけど、運動神経には並ならぬ自信がある
ぜってーこの学校でバスケ部キャプテンになんぞ!!
と息ついていた
…息巻いていた?
ま、どっちでもいっか!
中学からのバスケ部仲間も何人かいる
…が
ちっ誰ともクラス一緒じゃねぇじゃねぇか
教室の真ん中が変にザワザワしている
そこにはもう人だかりができていて
その真ん中にいる関西弁のチビがみんなを笑かしていた
すげぇな初日からかよ
人懐こそうな笑顔
あの笑顔じゃ人警戒しねぇよなー
ドンっとクラスのやつにぶつかられた
「あ、わ、悪い」俺を見て慌てた様子の男
…俺あれなんだよなー初対面のやつにビビられんだよなー
178㎝の身長とこのつり目がいけねーのか?
机に座ってむにーっと目じりを下げてたら
前の席のあの関西弁のチビと目が合った
げ
「なになに美容体操?」
「は?」あ、恥ずかしさから強めに言っちまった
そんな俺の様子にひるむこともないチビ
「美容体操ならこんくらいやらへんと」
自分の顔を伸ばして押してくちゃくちゃにする
「ぶっっおま顔ひでーから!!」
「おー笑った」
なんだこいつ、俺のこと怖くねーのか
「お前チビのくせに、おもしろいな」
「うぉい!気にしてることをサラッと言うなぁ!」
「そんでおもしろさとチビは関係あらへんから!」びしっと指をさされる
「ぶっはははっ」
俺はこいつのまっすぐ見てくる目と
誰にでも同じ態度で接するところが気に入った
…てかうらやましかったのかもしんねーな
芯と仲良くなって2ヶ月
1人のクラスメイトを紹介された
「かっしー!こっち孝ちゃん。怖そーだけどけっこうアホやで」
「あ、こっちはかっしーな!ガリ勉そうやけどおもろいやつやで」
柏木翔
芯と仲良くなんなきゃぜってー縁がねーやつだと思った
学級委員で優等生でメガネ
気取ってて勉強だけできるつまんねーやつ
…だと思ってたら柏木は意外とお笑いが好きみたいで
あいつのツッコミはなかなかうまくて
気が合った
「相補性だな」
「ソーセージ?」
「…バカは腹減るのが早いな」
「んだよ、バカって言う方がバカなんだかんな!」
「小学生の返しかよ…」
ケンカもするけどな
けどそれも仲いい証拠なんだろーよ
「「お願いします!」」
俺と芯とで翔のノート写し
そんなことはしょっちゅうで
「…焼きそばパン」
「えーあれちょー早く並ばんと買えへんよ」
「じゃあちょー早く並んでくれ」
「孝ちゃん頼む!自慢の俊足で」
「芯行けよーあ、チビだから埋もれちまうか」
「うるせーわい!!」
翔のノート
丁寧な字、と細かな解説
予習・復習もバッチリ
そのノート見てると
クラスで1位とれんのも努力あってのもんなんだろなぁ
と感じる
俺もバスケでしこたま練習するからな
努力するやつは嫌いじゃねぇ
ある朝
芯と2人してマンガキャラのフィギュアをいじっていた
「ええな孝ちゃん、もうちょい右腕を!」
「できた!このポーズかっこよくね?」
「いやここはこうだろ」ひょい、とフィギュアを取り翔もノってくる
「ぎゃははーいやかっしーそれはこえーから!」
ビリビリ
こいつらといると楽しくてビリビリするときがある
俺頭わりぃから深くは考えねぇけど
感覚で感じてるんだ、この2人といるとすげぇ楽しいんだなって