コイツ、俺の嫁候補。
。:*°女見る目ねぇな
あたしは意外と影響されやすいのかもしれない。
舞花に言われてから、那央に対する想いが日に日に膨らんでいってる気がする。
そうか、これが恋なのか、と思うと妙にしっくりきて、毎日そわそわしてしまう。そして。
「おっと、悪い」
「ひゃぁ!」
いよいよ大詰めとなった文化祭の準備で、段ボールを運んでいた那央と背中がぶつかってしまい、思わず叫んでしまった。
過剰反応するあたしに、那央は目をしばたたかせる。
「そんなセクハラされたような声上げなくても」
「ご、ごめん……!」
「なんか最近の縁、変」
眉をひそめる那央だけど、それもそのはず。
だって意識し過ぎちゃって、なんか挙動不審になってるんだもん!
今だってほら、まじまじと見つめられると顔が熱くなるし、無意識に目を逸らしてしまう。
「顔赤いし、熱でもあるんじゃねーの?」
床に段ボールを置いた那央は、その温かい手であたしのおでこに触れた。