コイツ、俺の嫁候補。
。:*°俺だけを見てろ
──文化祭当日。
朝から校内は慌ただしく、一般公開が始まると本当にお祭り騒ぎ。
クラスTシャツや様々な衣装に身を包んだ生徒達が、呼び込みをしたり店番をしたりで、かなり賑やかだ。
「いらっしゃいませー!」
「ポップコーンいかがですか~?」
レースのフリフリエプロン(カレンさん指定)を付けたあたしも、バイトの時以上に声を張り上げる。
なかなか売り上げは好調。
「あ、そろそろなくなりそうだから作った方がいいかもしれませんね」
「あら本当。ほら、あんた達行ってきなさい」
「えぇ~また俺らっすか~!?」
「あら嫌なの? じゃあこのエプロン付けて客寄せしてもらおうかしら」
「よ、喜んで行かせていただきまーす」
そろそろと調理室へ向かう陸と海に、カレンさんは満足げな笑みを浮かべる。
向こうで作って、出来上がったらここで売るという仕組みだ。
カレンさんには逆らえない二人に、ざまーみろと悪態をついていると、テントの外で客寄せしている藤丸先輩の声が聞こえてくる。