コイツ、俺の嫁候補。
あたしは何がしたいんだろう。

調査表には、とりあえず家から通えて学費が安い公立の短大や専門学校を書いただけ。

学科もバラバラで、なんとなく興味があっても“これ”っていうものが見付からない。



「俺は国公立以外には行かねー」

「私は英語科があるとこがよくてさ」



周りからそんな声が聞こえるたび、あたしは一人取り残されたような気がして焦ってしまう。



「縁は……あぁ短大?」

「ん……。一応そうしてるけど、まだ何がしたいかわかんない」

「同じ人はきっとまだいっぱいいるよ」

「そうかな」



覗いていたあたしのプリントから顔を上げた舞花は、ふぅと息を吐いて苦笑する。



「ちょっと興味ある学科に入ったらそれが自分に合ってることもあるだろうし、逆に合ってないってこともあるし。
やりたいことが決まってればいいけど、そうじゃない人にとっては今から将来のこと決めるのは難しいよね」

「うん……」



ほんと、舞花の言う通りだ。

皆どうやって自分の将来を決めているんだろう……。

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