コイツ、俺の嫁候補。
そこにいたのは、長いハニーブラウンの髪を縦ロールに巻き、ばっちりメイクを施した“濃ゆいお嬢様”のような女子。
フリフリのレースがついたエプロンをしているけど、それに似合わない険しい表情をしている。
彼女の迫力に圧倒されたあたしは声が出ず、那央は思いっきり顔を引きつらせた。
「あなた、また逃げる気?」
「カ、カレンさん……。すいません、弟が熱出したんで俺はこれで」
「あら。じゃあ部長である私が手料理を振る舞ってあげるから持って帰りなさい! いろんなスパイスを入れてあげるから、食べさせればす~ぐ元気になるわよ!」
部長らしいカレンさんの言葉に、那央は一瞬“うげっ”と言いたそうな顔をして、頭を掻きながらへらっと笑う。
「……あーそういえば、今日親が休みなんだった」
「そう! なら大丈夫ね。ほら早く戻りなさい」
ほほほほ!と高笑いするカレンさんに背中を押された那央は、この世の終わりみたいな顔であからさまに肩を落として調理室へ入っていく。
残されてただポカンとするあたしに、振り向いたカレンさんがにっこりと笑顔を向けた。
フリフリのレースがついたエプロンをしているけど、それに似合わない険しい表情をしている。
彼女の迫力に圧倒されたあたしは声が出ず、那央は思いっきり顔を引きつらせた。
「あなた、また逃げる気?」
「カ、カレンさん……。すいません、弟が熱出したんで俺はこれで」
「あら。じゃあ部長である私が手料理を振る舞ってあげるから持って帰りなさい! いろんなスパイスを入れてあげるから、食べさせればす~ぐ元気になるわよ!」
部長らしいカレンさんの言葉に、那央は一瞬“うげっ”と言いたそうな顔をして、頭を掻きながらへらっと笑う。
「……あーそういえば、今日親が休みなんだった」
「そう! なら大丈夫ね。ほら早く戻りなさい」
ほほほほ!と高笑いするカレンさんに背中を押された那央は、この世の終わりみたいな顔であからさまに肩を落として調理室へ入っていく。
残されてただポカンとするあたしに、振り向いたカレンさんがにっこりと笑顔を向けた。