コイツ、俺の嫁候補。
「あなた、もしかして入部希望者?」
「あ……はい、一応」
「まぁ嬉しい! これからずっと来てくれたらもっと嬉しいわ! なぜか皆初日しか来ないものだから~」
え? 『初日しか来ない』って、ちょっと問題発言な気がするんですけど。
「とりあえず入って! 今見学に来てくれた人をおもてなしするために料理を作っていたところなの。ぜひ食べていってちょうだい!」
「あ、は、はい……!」
カレンさんの言葉が引っ掛かりつつも、恋人のように腕を絡められたあたしは、ズルズルと調理室の中へ連れられていく。
……あ、でもなんか美味しそうな匂いがする。
ソースっぽい匂いに鼻をくんくんさせていると、目の前に制服を着た男子の胸板が飛び込んできた。
「ぎゃあ!」
「よく来たな」
低い低い声が頭の上から聞こえ、ゆっくり視線を上げると、ゴツくて大柄な男があたしを見下ろしている。
角刈りで、柔道とか合気道とかやっていそうなガタイをした男。
その迫力に、石にされたみたいに固まっていると、あたしの腕を引いていたカレンさんがクスクスと笑った。
「あ……はい、一応」
「まぁ嬉しい! これからずっと来てくれたらもっと嬉しいわ! なぜか皆初日しか来ないものだから~」
え? 『初日しか来ない』って、ちょっと問題発言な気がするんですけど。
「とりあえず入って! 今見学に来てくれた人をおもてなしするために料理を作っていたところなの。ぜひ食べていってちょうだい!」
「あ、は、はい……!」
カレンさんの言葉が引っ掛かりつつも、恋人のように腕を絡められたあたしは、ズルズルと調理室の中へ連れられていく。
……あ、でもなんか美味しそうな匂いがする。
ソースっぽい匂いに鼻をくんくんさせていると、目の前に制服を着た男子の胸板が飛び込んできた。
「ぎゃあ!」
「よく来たな」
低い低い声が頭の上から聞こえ、ゆっくり視線を上げると、ゴツくて大柄な男があたしを見下ろしている。
角刈りで、柔道とか合気道とかやっていそうなガタイをした男。
その迫力に、石にされたみたいに固まっていると、あたしの腕を引いていたカレンさんがクスクスと笑った。