コイツ、俺の嫁候補。
あたし達を安心させるように、いつもの穏やかな笑顔を向けるおじさんだけど、あたしの胸には不安が広がる。
“かなり戸惑うかもしれない”って、そんなにおばあちゃんは変わっちゃったの?
認知症の人達が集まる棟に入ると、大声で歌を歌っていたり、職員さんに「家に帰らせてくれ」と泣きついている人がいたりする。
まさか、あの元気なおばあちゃんもこんな状態に……?
心臓がドクドクと不快な音を立て始め、表情を強張らせながら歩いていると。
そんなあたしに気付いたのか、那央がきゅっと手を握ってくれた。
“大丈夫だよ”と言うみたいに。
不安と緊張を抱えながらその手を握り返すと、おじさんはおばあちゃんがいる部屋の前で足を止めた。
そこは、4台のベッドがカーテンで仕切られている4人部屋。
その右奥におばあちゃんがいる。
「トメさん、カーテン開けますよ」
おじさんが声を掛け、カーテンを開けると。
ベッドに座って窓の外を眺めていたおばあちゃんが振り向き、あたし達を見て目を丸くした。
“かなり戸惑うかもしれない”って、そんなにおばあちゃんは変わっちゃったの?
認知症の人達が集まる棟に入ると、大声で歌を歌っていたり、職員さんに「家に帰らせてくれ」と泣きついている人がいたりする。
まさか、あの元気なおばあちゃんもこんな状態に……?
心臓がドクドクと不快な音を立て始め、表情を強張らせながら歩いていると。
そんなあたしに気付いたのか、那央がきゅっと手を握ってくれた。
“大丈夫だよ”と言うみたいに。
不安と緊張を抱えながらその手を握り返すと、おじさんはおばあちゃんがいる部屋の前で足を止めた。
そこは、4台のベッドがカーテンで仕切られている4人部屋。
その右奥におばあちゃんがいる。
「トメさん、カーテン開けますよ」
おじさんが声を掛け、カーテンを開けると。
ベッドに座って窓の外を眺めていたおばあちゃんが振り向き、あたし達を見て目を丸くした。