コイツ、俺の嫁候補。
「ほら、皆がトメさんに会いに来てくれたよ」

「おやまあ……」



おじさんが穏やかな声で言うと、おばあちゃんの顔に笑みが広がる。

あぁ、よかった……

少しやつれたけど、いつものおばあちゃんだ。

あの向日葵みたいな笑顔を見せてくれる、大好きなおばあちゃん。



「久しぶり、おばあちゃん!」



いつも以上に嬉しくなったあたしは、那央の手を振りほどいてベッドに駆け寄る。



「元気そうでよかった……!」



あたしを見つめたおばあちゃんは、一瞬驚いたような顔をする。

そして、またふわりと笑った。

けれど。



「まぁ、元気で可愛い子だねぇ。どこのお嬢さん?」



──え……?


一瞬、身体が凍り付く。



「もしかして、お隣りの山口さんかい? ちょっと呼んでこようかねぇ」



おばあちゃん……?

まさか、あたしのことがわからないの……!?

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