コイツ、俺の嫁候補。
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「おばあちゃん、今日もいい天気だねー」
「そうだねぇ、桜が咲くのももうすぐだわ」
春休み中、前より頻繁に通うようになった施設で、あたしはベッドに座るおばあちゃんと何気ない話をする。
足が悪いから徘徊することはないみたいだけど、夜は時々大声で職員さんを呼んだりすることがあるらしい。
それでも、あたしと会っている間はいつも穏やかに笑ってくれている。
「お姉ちゃんは優しいねぇ。いつもこんなお年寄りの相手してくれてありがとう」
「……ううん」
「うちの孫も、大きくなったらあんたみたいな女の子になってほしいもんだわ」
相変わらず、あたしのことは他の誰かの家族だと思ってるみたい。
でもおじさんの話を聞いてから、あたしもおばあちゃんに合わせて会話することが出来るようになっていた。
「……あたしね、おばあちゃんのお孫さんに会ったことあるんだ」
「えぇ、本当かい?」
「おばあちゃんのこと、大好きって言ってたよ」
今のあたしの気持ちを伝えたくてこんなふうに言ってみたけど、わかってくれるかな。