コイツ、俺の嫁候補。
「はじめまして。2年7組の牧野縁です。よろしくお願いします」



それだけ言ってぺこりと頭を下げると、ちょこんと椅子に座っている女子が、にっこり笑って会釈してくれた。

ダークブラウンのセミロングの髪の毛がさらりと揺れ、小柄で清楚で、とっても可愛らしい子だ。

見たことがないし、雰囲気的に1年生かな?


もう一人、何故か皆と離れた窓際のテーブルに一人で座っているのは、インテリチックな眼鏡を掛けた男子。

こちらは正反対に、にこりともせず料理本をパラパラとめくっている。……なんて無愛想な。


そんな中、「よろしくー」と軽く片手を上げてへらりと微笑む片霧那央。

初対面の人ばかりだからか、今だけは彼の見知った顔を見ると少しホッとするのだった。



「縁ちゃんね、よろしく。同じ新入部員の子があの二人よ。二人とも一年生なの」



カレンさんに紹介された二人のうち、女の子の方がすくっと立ち上がった。



「1年3組の吉澤奈々(ヨシザワ ナナ)です。よろしくお願いします」



丁寧に挨拶してくれる奈々ちゃんは、小動物みたいで本当に可愛い。

カレンさん達が迫力があるせいか、なんだかとっても癒される。

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