コイツ、俺の嫁候補。
あたしのように、家族に介護が必要になったりした場合、どう対応したらいいかわからず戸惑う人も多いはず。

おばあちゃんのように介護を必要とする人だけでなく、その家族のためにも、何か役に立てる仕事がしたいと思ったんだ。



「社会福祉士は、僕みたいな介護福祉士以上に幅広いサポートが出来るからね。その分難しい仕事だと思うけど」

「そうだよね……でも頑張ってみる」

「うん、頑張れ。これで縁ちゃんが資格取って、僕と手を組んだら最強だぞ! いつか同じ施設で働きたいなぁ」



鍋に負けないくらい熱くなるおじさんに、あたしとお母さんは目を合わせてクスッと笑う。



「よかったわね、健司くん。また将来が楽しみになったじゃない」

「……そうだな。一人じゃ叶えられない夢が、また一つ出来たよ」



そう言うおじさんは本当に嬉しそう。

あたしも、こうやって応援してくれる人がいて、すごく心強いよ。

ご飯を食べ終えたら那央にも報告しよう。


なんとか見えてきた目標に向かって、あたしもようやく一歩を踏み出した。


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