コイツ、俺の嫁候補。
ギロッと睨み据えていると、陸と海がニヤニヤしながらやってくる。



「いつもみたいに暴力で黙らせちまえばいーじゃん」

「あたしはそんなに暴力的じゃない! ていうか、あんたらは虚しくないわけ? 那央に女子取られちゃって」

「べっつにー。あんなついこの間まで中学生だったような、ケツの青い女なんか興味ねー……
けど! 牧野のために今日は俺らが一肌脱いでやるぜ」

「は?」



よく意味がわからないことを言う二人に顔をしかめていると、ヤツらは群がっている女子達に近付いていく。



「片霧の将来の嫁はもう決まってるらしいぜー」

「「えぇっ!?」」

「しかもマジ趣味わりぃんだ。そんなヤツほっといて俺らにしときな」



あいつら、後でぶっ飛ばす!

ていうか、興味ないとか言っときながら自分達も狙ってたんじゃん!

どうりで最近よく顔出すと思ったよ……。


ヤンキー二人に呆れていると、奈々ちゃんがクスクスと笑う。



「よかったですね、一応助けてくれて」

「んーよかったのか何なのか……」

「来月は修学旅行だし、邪魔者はいないだろうから楽しんできてくださいね」

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