コイツ、俺の嫁候補。
──修学旅行。

奈々ちゃんに言われて思い出した。

そういえば来月は2泊3日の修学旅行が待っている。行き先は北海道。


北海道なんて初めてだし、もちろん楽しみだけど……。



「奈々ちゃん、敵は新入生の子達だけじゃないんだよ……」

「え?」



あたしはつい先日行われたクラスマッチを思い返し、苦笑いを浮かべた。







もう初夏と言っていいくらいの日差しの中行われたクラスマッチ。

自分が出るバスケの試合がない間、あたしは舞花とグラウンドに出ていた。

那央のクラスがサッカーの試合をしているから、それの応援をしに来た……のだけど。



「片霧くん頑張ってー!!」

「那央いけー!!」



3年1組の女子の迫力がすごくて、あたし達は完全アウェーだった。



「すごいサポーター……。しかも那央への声援ばっかり聞こえる」

「やっぱり人気なんだよ~。でも当然かな。だってほら、すごいもん彼のプレー」



舞花と同じ方を見やると、ちょうど那央がボールを操っていて、華麗なドリブルで相手ディフェンダーをかわした。

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