コイツ、俺の嫁候補。
えーん、と子供みたいに泣くあたし。

周りの皆は笑いながらも、もらい泣きしてくれる子までいた。

舞花も目元を拭って隣に座ると、あたしの肩をぎゅっと抱く。



「皆縁のことが好きだからこうやってくれるんだよ。私はまた来年も、その先もずっとお祝いしてあげたい」

「舞花ぁ……」

「大好きだよ、縁」



なに彼氏みたいなこと言ってんの。

これ以上泣かせないでよね。

……あたしも大好きだよ、舞花。



こんなに想ってくれる人達がいたのに、どうしてあたしは孤独を感じていたんだろう。

卒業して、もしも離れ離れになったとしても、きっとこの友情は消えることはない。

少なくとも舞花は。

彼女の嘘偽りのない笑顔は、そう信じさせてくれる。


──あたしは、一人なんかじゃない。



「ちょっとちょっと。無駄に甘いよ二人」

「舞花ちゃんイケメン過ぎだしー」

「やばっ、先生の声聞こえた! 静かに静かに!」



賑やかでとっても幸せな18歳の始まり。

今年も素敵な一年になりそうな予感がした。


< 255 / 314 >

この作品をシェア

pagetop