コイツ、俺の嫁候補。
那央に言われた通り、オフホワイトのワンピースに着替え、カーディガンを羽織って部屋を出ると、すでに先輩の車が待っていた。
車の中で那央はあたしの左手を取り、薬指にさっき摘み取ったシロツメクサの細い茎をくるくると巻く。
あっという間に、白い花の可愛い指輪が出来上がった。
やっぱり、那央がやろうとしていることは──…
病院に着くと、車で待っていてくれるという先輩達にお礼を言い、那央と二人で受付に向かった。
病棟と部屋番号を教えてもらい、おばあちゃんのもとへと急ぐ。
部屋の前にたどり着くと、かすかにお母さんと健司おじさんらしき声が聞こえてきた。
おばあちゃんは今どんな状態なんだろう。
怖いけど、しっかり向き合わなきゃ。
そして、もし目を覚ましているなら、この姿を見てもらうの──。