コイツ、俺の嫁候補。
とりあえず安心した、と笑い合ってしばらく話していると、電車が来る知らせの音楽が鳴る。



「そろそろ電車来るみたい」

『おー、じゃまたな』

「あ、待って! あの、今度の土曜日……会えない?」



あたしから誘うのは初めてじゃないけど、ちょっぴり緊張する。なぜなら……



『土曜日? あぁ、いいよ。どっか行く?』

「……うちにおいでよ」



──なぜなら、その日はお母さんがお友達と温泉旅行で確実にいないから。



「あの、ほら、あたしがお昼ご飯でも作るからさ!」

『マジ? じゃあお邪魔すっかな。俺オムライス食いてー』

「オムライスね! まかせて」



自分から家に誘っちゃうとか、なんか恥ずかしい!

けど、別に普通だもんね?

ただ誰にも邪魔されないで二人きりになりたいだけであって、決してやましい気持ちがあるわけじゃ……


……なくないよ~ありまくりだよ!

こんなこと考えてるなんて、あたし変態!?

でももう誘っちゃったし!


……と、一人ホームで悶えるあたしを、周りの人達は奇妙な目で見ていたに違いない。


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