コイツ、俺の嫁候補。
「ありがとう。……好きだよ、縁」

「あたしも、大好き」



またキスをして、抱きしめ合って。

手を繋いで向かう先はあたしの部屋の小さなベッド。

一年以上ずっと一緒にいて、良い所もダメな所も見せ合ってきたのに

まだお互いの知らない部分があったなんて、不思議な気分。


すごく緊張して、恥ずかしくて、

だけど隔てるものを全部取り払って、もっと触れ合いたくて。

あたし達はお互いの体温を探るように、肌と肌を重ねた。


ゆっくり時間をかけて、ようやく一つになろうとしている時。



「怖い?」



上に覆いかぶさる、引き締まった身体を露わにした那央が、ぎゅっと目を閉じていたあたしに尋ねる。



「……ちょっと」



素直に言うと、彼はあたしの髪を愛でるように撫でながら薄く微笑む。



「俺も怖いよ」

「え?」

「お前のこと、めちゃくちゃにしちまいそうで」



那央……

そのくらい、あたしを欲しがってくれてるってこと?

そうだとしたら、素直に嬉しい。

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