コイツ、俺の嫁候補。
現れたものは、水色のストライプ柄の表紙のアルバム。


これは、片霧家で合格祝いをしてくれた時にあたしが提案した“あれ”だ。

本当にたいしたことではないけど、あたし達が那央を想う気持ちをカタチにしたくて、アルバムを作ろうと言ったところ。

皆は快く協力してくれて、この瞬間まで内緒にしていたのだった。


皆が小さい頃から最近のものまで、選りすぐりの写真を貼り、コメントを書いたりシールでコラージュした傑作だ。



「うわ……すげぇなコレ」



ゆっくりめくる那央は、一枚一枚の写真を見ては懐かしそうに笑う。



「縁が作ろうって言ったんだよ。那央にぃも寂しくないようにって」



華ちゃんが言ったと同時に、那央は最後のページにたどり着いた。

そこにあるのは、あたしと那央を真ん中にして、片霧家が全員集合した写真。

皆とってもいい笑顔をした、あたしもお気に入りの一枚。


それから目線を離さずに、


「……泣かせるようなことすんなよな」


と呟いた那央は、込み上げるものを堪えるように下唇を噛んだ。

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