コイツ、俺の嫁候補。
お母さんはと言うと、あたしが大学に入学する前に再婚し、あたしも健司おじさんの名字に変わっていた。
最初はやっぱり慣れなかったけど、今ではしっくりきている。
けれど、その名字とは5年間付き合って、お別れすることになった。
つまり──…
「縁、結婚おめでとう」
プリンセスラインの、純白のウェディングドレスを身にまとったあたしに、留め袖姿のお母さんが満面の笑顔を向けた。
──片霧縁となったあたしは、今日、本物の花嫁になる。
「ありがとう、お母さん」
「ついにこの日が来ちゃったのね……。嬉しいけど、やっぱり寂しいかな」
あたしもだよ。
お母さんと過ごした今までのことが走馬灯みたいに蘇ってきて、すでに涙が出そうになる。
大学を卒業して地元の老健に就職したあたしは、お母さんとおじさんと、やっとまともに三人で暮らし始めた。
それも一年ちょっとで終わることになっちゃって、本当にごめんね。
あたしはこれから、警察の官舎で那央と一緒に暮らすことになる。
最初はやっぱり慣れなかったけど、今ではしっくりきている。
けれど、その名字とは5年間付き合って、お別れすることになった。
つまり──…
「縁、結婚おめでとう」
プリンセスラインの、純白のウェディングドレスを身にまとったあたしに、留め袖姿のお母さんが満面の笑顔を向けた。
──片霧縁となったあたしは、今日、本物の花嫁になる。
「ありがとう、お母さん」
「ついにこの日が来ちゃったのね……。嬉しいけど、やっぱり寂しいかな」
あたしもだよ。
お母さんと過ごした今までのことが走馬灯みたいに蘇ってきて、すでに涙が出そうになる。
大学を卒業して地元の老健に就職したあたしは、お母さんとおじさんと、やっとまともに三人で暮らし始めた。
それも一年ちょっとで終わることになっちゃって、本当にごめんね。
あたしはこれから、警察の官舎で那央と一緒に暮らすことになる。