コイツ、俺の嫁候補。
「っしゃー!!」



ガラッと再びドアが開いて、二人の男子が歓喜の声を上げて入ってきた。あたし達の視線は彼らに集中する。

制服を着崩した、金髪のガラ悪そうな二人組……見るからにヤンキーだ。



「カレンさんいないなんてマジ嬉し……寂しいわー!」

「先週出れなかったから、今週はちゃんと来たのにな!」



ニコニコ笑顔であからさまな嘘を言う二人は、入り口の一番近くの席にドカッと腰を下ろした。

そんな二人を、腕組みをした藤丸先輩がギロッと睨むと、彼らはバツが悪そうにへらへらと笑いながら頭を掻く。



「えっとー、じゃあ今日は何するんすか? 藤丸先輩」

「……そろそろ文化祭の出し物を決めなければいけないから、その話し合いだ」

「よし! じゃー皆さっそく始め──」

「お前ら二人は懸垂50回、腹筋100回、腕立て伏せ200回やってろ」

「「えぇーー!!」」



藤丸先輩の鬼のような命令と、天を仰ぐリアクション過大な二人のやり取りがおかしくて、あたしは思わず吹き出した。



「あっはははは! アホ過ぎる」

「なんだと?お前…………あ゙!!」

「へ?」



お腹を抱えて笑っていると、短髪のヤンキーがあたしを指差し、ガタンッ!と立ち上がった。

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