コイツ、俺の嫁候補。
ゆるくパーマをかけたボブの髪を春風になびかせ、八分咲きの桜が立ち並ぶ坂を立ち漕ぎで登る。
そこに見えてきた比較的綺麗な校舎には、同じ制服を着た男女が吸い込まれていく。
その人の波を軽やかに抜け、まず向かうのは自転車置き場。
自転車を停め、カゴの中から少々荒っぽく取り出したバッグを肩に掛けて下駄箱の方へ向かっていると、後ろからぽんっと肩に手を置かれた。
「縁、久しぶり!」
「おっす」
「相変わらずオトコマエだね~」
片手を上げるあたしにニコニコと笑いかけるのは、ゆるふわロングの髪の毛をシュシュで一つに纏めた舞花(マイカ)。中学の頃からの親友だ。
ぽわんとした雰囲気を漂わせた、あたしとは正反対の女の子らしいコ。お菓子に例えるなら、マシュマロとかマカロンとか、そんな感じ。
あたしは……色気のないかりんとうみたいなもんか。
って、想像するとむなしいだけだからやめよう。
そこに見えてきた比較的綺麗な校舎には、同じ制服を着た男女が吸い込まれていく。
その人の波を軽やかに抜け、まず向かうのは自転車置き場。
自転車を停め、カゴの中から少々荒っぽく取り出したバッグを肩に掛けて下駄箱の方へ向かっていると、後ろからぽんっと肩に手を置かれた。
「縁、久しぶり!」
「おっす」
「相変わらずオトコマエだね~」
片手を上げるあたしにニコニコと笑いかけるのは、ゆるふわロングの髪の毛をシュシュで一つに纏めた舞花(マイカ)。中学の頃からの親友だ。
ぽわんとした雰囲気を漂わせた、あたしとは正反対の女の子らしいコ。お菓子に例えるなら、マシュマロとかマカロンとか、そんな感じ。
あたしは……色気のないかりんとうみたいなもんか。
って、想像するとむなしいだけだからやめよう。