コイツ、俺の嫁候補。
「あいつが風邪ひいたっつーから助っ人頼んだの、俺とタメの縁。で、こいつが次女の華(ハナ)」
「華ちゃん? こんにちは、牧野縁です」
那央の紹介を頭に叩き込み、あたしは華ちゃんに笑顔で会釈した。
……が、彼女は那央と似た可愛い顔立ちにもかかわらず、仏頂面をしている。なぜ。
「縁、この左にあるのが居間で、突き当たりが台所」
「あっ、うん!」
部屋の説明をしてすたすたと先を行く那央に返事をするものの、じっとあたしを見つめる華ちゃんの視線が気になって仕方ない。
「えぇと……お邪魔します」
ぎこちない笑顔でとりあえずそう言い、那央を追おうとすると。
「あなた、那央にぃの彼女?」
ナイフの刃先のように尖った視線と声色があたしに向けられる。
えぇ、なんか怖いんですけど!?
「ち、違う違う!! ただの友達だから!」
「超あやしー……」
目を細め、訝しげにあたしを見た華ちゃんは、ぷいっとそっぽを向くと那央の後について居間へ行ってしまった。
「あたし、全然歓迎されてないよね……」
那央は『絶対あいつらも縁のこと気に入る』とかって言ってなかったっけ?
「華ちゃん? こんにちは、牧野縁です」
那央の紹介を頭に叩き込み、あたしは華ちゃんに笑顔で会釈した。
……が、彼女は那央と似た可愛い顔立ちにもかかわらず、仏頂面をしている。なぜ。
「縁、この左にあるのが居間で、突き当たりが台所」
「あっ、うん!」
部屋の説明をしてすたすたと先を行く那央に返事をするものの、じっとあたしを見つめる華ちゃんの視線が気になって仕方ない。
「えぇと……お邪魔します」
ぎこちない笑顔でとりあえずそう言い、那央を追おうとすると。
「あなた、那央にぃの彼女?」
ナイフの刃先のように尖った視線と声色があたしに向けられる。
えぇ、なんか怖いんですけど!?
「ち、違う違う!! ただの友達だから!」
「超あやしー……」
目を細め、訝しげにあたしを見た華ちゃんは、ぷいっとそっぽを向くと那央の後について居間へ行ってしまった。
「あたし、全然歓迎されてないよね……」
那央は『絶対あいつらも縁のこと気に入る』とかって言ってなかったっけ?