コイツ、俺の嫁候補。
ビニール袋に入れたいなり寿司を手渡すと、那央は嬉しそうな笑顔を見せる。
ちょっとだけ気分転換になったし、なんとなく今は一人になりたくないけど帰るとしますか。
「じゃ、あたしはこれで──」
「ちょっと待て」
踵を返そうとすると、那央に手首を掴まれた。
振り向くと、綺麗な顔が何か企んでいそうな笑みを浮かべている。
……やな予感。
「せっかく来たんだから上がってけよ」
「遠慮します」
「おーい、縁が来たぞー」
「ちょっと!」
やんわりと拒否するあたしに構わず、那央はずんずん家の中へと入っていく。
ヤツに引っ張られるまま、仕方なく玄関でスニーカーを脱ぎ捨てて家に上がると。
居間にいたのは本を読む遼くんと、おもちゃで遊ぶ小さな女の子。
「あ、縁さんこんにちは」
「こんにちは遼くん! この子が一番下の子!?」
「はい。もうすぐ2歳になる美雨(ミウ)です」
「美雨ちゃんかぁ。カワイイ~! こんにちは」
まだ上手く喋れない美雨ちゃんは、「ちゃー」と言ってニコニコ笑っている。
こんな小さな女の子とは接したことがないから、すごく新鮮だ。
ちょっとだけ気分転換になったし、なんとなく今は一人になりたくないけど帰るとしますか。
「じゃ、あたしはこれで──」
「ちょっと待て」
踵を返そうとすると、那央に手首を掴まれた。
振り向くと、綺麗な顔が何か企んでいそうな笑みを浮かべている。
……やな予感。
「せっかく来たんだから上がってけよ」
「遠慮します」
「おーい、縁が来たぞー」
「ちょっと!」
やんわりと拒否するあたしに構わず、那央はずんずん家の中へと入っていく。
ヤツに引っ張られるまま、仕方なく玄関でスニーカーを脱ぎ捨てて家に上がると。
居間にいたのは本を読む遼くんと、おもちゃで遊ぶ小さな女の子。
「あ、縁さんこんにちは」
「こんにちは遼くん! この子が一番下の子!?」
「はい。もうすぐ2歳になる美雨(ミウ)です」
「美雨ちゃんかぁ。カワイイ~! こんにちは」
まだ上手く喋れない美雨ちゃんは、「ちゃー」と言ってニコニコ笑っている。
こんな小さな女の子とは接したことがないから、すごく新鮮だ。