コイツ、俺の嫁候補。
その四・キスマークをつけておく(浮気防止のため)

その五・風呂とベッドは一緒(節約と場所がないため)



「……って、なんじゃそりゃ!!」



思わず叫んでしまった。

さっき那央が言ってたのはこのことか!



「これは俺の条件。どう、守れるかどうか試してみる?」

「絶対イヤ!!」

「そんな完全拒否しなくても」



しょぼんとする那央は、叱られた犬みたいでなんかすごく可愛いけども!

そんな条件云々より、あたしが那央のお嫁さんになるわけがないじゃない。



「冗談はほどほどにして」

「冗談じゃねーよ。俺はお前が気に入ったって言っただろ」



──ドキン、と心臓が飛び跳ねる。

や、やめてよ……そんな綺麗な瞳で見つめないで。

元から不安定だった心がさらにぐらぐらと動いて、今にも崩れそうだ。



「……でも、拒否するのは当然か。縁には大好きな王子様がいるもんな」



少し力が弱くなった声で言う那央は、自嘲気味に笑う。

あたしはさっきの先輩を思い出し、再び気持ちが重くなるのを感じた。

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