小春日和の恋
 指先でメモ紙を掴むと、ゴクリと唾を飲み込んだ。

 何が書かれているんだろう!?

 ドキドキする。

「やっぱ、無理っ!!」

 メモ紙を持っている手首を、ガシッと小野くんに掴まれた。

 小野くんが鼻で深く深く呼吸をすると、耳まで真っ赤になった顔を左右に振った。

「それは……家で読んで。頼むから」

 わたしはメモ紙をじっと見つめた。何が書かれているのか気になる。

 すぐに読みたい気持ちをぐっと堪えると、箱の中に戻した。

「わかった。家に帰ってから、読むね」

 わたしは小さな箱を閉じると、小野くんから貰った学ランの中に入れた。











『俺の心、日向にやる』

 うそっ……!?

 ガタガタンと、机の上の私物が床に落ちた。

 家に帰ってから、小野くんからもらったメモを開いた。

 思ってもみない言葉がそこに書かれてあった。
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