小春日和の恋

「ああ、ハルはいいよなあ。比べちゃあ、いけないってわかってるんだけどさあ。でも、やっぱ比べるよなあ。幼馴染で、同じようにバスケ馬鹿で……何が違うって、容姿と性格くらいなのに。どうしてこうも違うんだか。学校中の人気モノで、女子にモテて！」

　容姿と性格が違うって、相当な差があると思うけど。

　五十嵐くんって話しやすい分、お友達で終わってしまうのかな？

　わたしは、コートの中で走っている小野くんの姿を捉えた。

　格好良いなあ。

「バスケにストイックそうに見えて、あれで女がいるんだぜ。日向ぁ、あいつの首を絞めてもいい？　何もかも手に入れてるあいつが妬ましすぎる」

　はあ、と五十嵐くんが深い息を吐き出す。

　わたしは目を大きく開けると、ツキンっと胸の奥に痛みが走った。

「小野くん、彼女がいるの？　もしかしてさっきのマネーシャー……とか？」

　親しそうに小野くんに触れてたし。

　恋人がいると、五十嵐くんに話しているのなら、相手のこともきっと知っているはず。