小春日和の恋
もし、小野くんに彼女がいるなら……。その人を目の当たりにすれば、わたしの心は小野くんから解放されるのかな?
それとも……。
わたしは振り返ると、五十嵐くんの顔を見つめる。
五十嵐くんは首を傾げて、難しそうな表情だった。
「いやあ……マネじゃないと思う。あいつ、俺が聞いても、どんな子なのか一切話さないんだよ」
え? 幼馴染の五十嵐くんにも話さない相手って誰だろう。
相手の名をあかせないような恋愛をしている、とか?
「高1のときだったと思うんだけど……俺が『今年の目標は彼女を作る!!』て宣言したわけよ。そんときあいつが『作ろうとして作るもんじゃない』ってサラって言うからさ。あいつに、お前はいるのか!?って聞いたわけよ」
フンっと五十嵐くんの鼻息が荒くなる。
わたしもぎゅっとボールペンを強く握りしめて、五十嵐くんの次の言葉を待った。
「あいつ、なんて答えたと思う? 『俺の心をあげた』って」
その言葉……って。
それって、もしかして。
『俺の心、日向にやる』の文字が、くっきりと思い出される。
私はノートとペンを五十嵐くんに渡すと、「あとお願い!!」と体育館を飛び出した。
それとも……。
わたしは振り返ると、五十嵐くんの顔を見つめる。
五十嵐くんは首を傾げて、難しそうな表情だった。
「いやあ……マネじゃないと思う。あいつ、俺が聞いても、どんな子なのか一切話さないんだよ」
え? 幼馴染の五十嵐くんにも話さない相手って誰だろう。
相手の名をあかせないような恋愛をしている、とか?
「高1のときだったと思うんだけど……俺が『今年の目標は彼女を作る!!』て宣言したわけよ。そんときあいつが『作ろうとして作るもんじゃない』ってサラって言うからさ。あいつに、お前はいるのか!?って聞いたわけよ」
フンっと五十嵐くんの鼻息が荒くなる。
わたしもぎゅっとボールペンを強く握りしめて、五十嵐くんの次の言葉を待った。
「あいつ、なんて答えたと思う? 『俺の心をあげた』って」
その言葉……って。
それって、もしかして。
『俺の心、日向にやる』の文字が、くっきりと思い出される。
私はノートとペンを五十嵐くんに渡すと、「あとお願い!!」と体育館を飛び出した。