小春日和の恋
「ありました」

 わたしはコクンと頷いた。

「やっぱり。あたりの強かった理由がわかった。納得」

 数メートル先に公園の入り口が見えてくる。

 公園の明かりが灯されて、明るくライトアップされている。

 公園に到着すると、隅っこに遠慮がちにあるベンチにわたしたちは座った。

 人一人分ほどの間が二人のあいだにできている。

 その距離を埋めることもなく、小野くんは背もたれに寄りかかった。

「覚悟、できた?」と小野くんから口を開く。

 わたしは首を横に振ると、「何から話せばいいのか……」と遠くを見つめた。

「山城ってヤツの告白も関係してくる話し?」

「先輩!? 関係ない、けど」

「そ、か」と小野くんが呟いた。

 なんで山城先輩が関係してくるのだろう?

 わたしは不思議に思いながらも、大きく深呼吸をした。

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