小春日和の恋
あのときはチョコをあげるのに精一杯で、そこまで考えてなかった。
バレンタインのときにチョコをあげる……イコール告白も同然と思いこんでたし。
「だから返事ができなかった。きちんとあの時の日向の気持ちを確認してから、返事をしようって思ってた。中3のバレンタインのときは、チョコを持ってきてないって暁と会話しているのを聞いて、去年のことを聞くチャンスを逃してしまったかも……って思った。結局、去年のチョコのお礼を中3のホワイトデーにするっていう苦肉の策で、日向からの気持ちを引き出そうと思った。そしたら返ってきた答えが、俺の心だって言うし。とくにお礼はしなくてもいい、とも言うし。俺なりに悩んだよ」
小野くんも……悩んでくれてんだ。
「日向が俺を好きだっていう確証もなかったから怖かった。中2のときは俺を好きだったかもしれない。でも中3では心変わりしてて、他に好きな人ができているかもしれない。日向の気持ちがわからないから、告白するのが怖かった。だからあの箱に、メモを入れた。日向が冗談だと言った言葉があの箱に入ってたら、きっと何らかの反応があるんじゃないかって。面と向かって反応を見る勇気が無かったから、家に帰ってから読んでって言ったけど。後悔したよ。何の反応もなかったから」
「……びっくりしたよ。もちろん。どういうことだろう?ってすごく考えた。でも今まで電話もメールもしてことないのに。連絡なんて取れない。『これ、どういう意味?』って聞けないよ」
小野くんが、フッと口元を緩めると「そうだな」と頷いた。
バレンタインのときにチョコをあげる……イコール告白も同然と思いこんでたし。
「だから返事ができなかった。きちんとあの時の日向の気持ちを確認してから、返事をしようって思ってた。中3のバレンタインのときは、チョコを持ってきてないって暁と会話しているのを聞いて、去年のことを聞くチャンスを逃してしまったかも……って思った。結局、去年のチョコのお礼を中3のホワイトデーにするっていう苦肉の策で、日向からの気持ちを引き出そうと思った。そしたら返ってきた答えが、俺の心だって言うし。とくにお礼はしなくてもいい、とも言うし。俺なりに悩んだよ」
小野くんも……悩んでくれてんだ。
「日向が俺を好きだっていう確証もなかったから怖かった。中2のときは俺を好きだったかもしれない。でも中3では心変わりしてて、他に好きな人ができているかもしれない。日向の気持ちがわからないから、告白するのが怖かった。だからあの箱に、メモを入れた。日向が冗談だと言った言葉があの箱に入ってたら、きっと何らかの反応があるんじゃないかって。面と向かって反応を見る勇気が無かったから、家に帰ってから読んでって言ったけど。後悔したよ。何の反応もなかったから」
「……びっくりしたよ。もちろん。どういうことだろう?ってすごく考えた。でも今まで電話もメールもしてことないのに。連絡なんて取れない。『これ、どういう意味?』って聞けないよ」
小野くんが、フッと口元を緩めると「そうだな」と頷いた。