小春日和の恋
「日向こそ、山城ってヤツに告白されて考えたの? 付き合うかどうか」

「え?」

「俺、てっきりそのことで話しがあるのかと思った。『こんなんだから、部長にも見破られるんだ』って呟いたのが聞こえたから。俺の心はいらないって言われるのかと」

「その場で先輩からの告白は断ったよ。小野くんのあの手紙で、小野くんへの気持ちを忘れられなかったんだから」

「それは良かった」

 小野くんの手が私の手に重なった。

 あたたかくて、大きくて、ほっとできる温もり。

「改めて、日向 和奏さん、俺と付き合ってください」

「はい、喜んで」

 わたしは小野くんの手を握り返した。


 高校2年の春。わたしこと、日向 和奏は同じ中学の同級生だった小野 春陽くんと交際をスタートさせた。

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