ワケあり!?社内恋愛
「あー、やっぱ眠い。肩かして」
「え……」
「お前が降りる駅のほうが先だろ。
その時起こして」
「ちょっ……」
そう言いながら、那月さんはさっさと浅く座ると人の肩にもたれかかっていて、
体中がシャキーンと力が入った気がした。
「……なんかお前、いい匂いするな」
「えっ……」
「香水?つけてる?」
「一応……」
「そっか。この匂い、好き」
「……」
目を閉じながら、そんな言葉を吐いて
この人はあたしをどうしたいんだろうか……。
でも今目を開けられたら困る。
あたしの顔は、隠しようもないほど、赤くなっていると思うから……。
「……スゥー…」
しばらくして、規則正しく聞こえ始めた寝息。
そっと顔を覗き込んでみると、綺麗な寝顔がそこにあって……
「……ばか…」
思わず、その言葉が口走った。