ワケあり!?社内恋愛
 
優しい腕なのに……
温かい温もりなのに……


これは決して、あたしだけのものにはならなくて……。


本当はいつも、別の人のことを想っている。



「胸、当たってるんだけど」

「あててるんです」

「おいっ……」



からかってくる那月さんの言葉に、わざとそんな返しをして、
泣きそうな自分をなんとか笑顔で偽った。



もっともっとあたしで困ってしまえばいい。

あたしのことで悩んでしまえばいい。



そうしたら………

 
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