ワケあり!?社内恋愛
 
「お疲れ様ですー」


一言挨拶をして、オフィスを出ると、


「お、今日はもう帰んの?」


外出先から帰ってきたであろう那月さんと、バッタリした。


「あ……那月さん。
 ちょっと……」
「ん?」
「亜由美さんが心配で……」
「……ああ」


亜由美さんが休んでいるのは、当然那月さんも知っている。

だからあたしの行動に、返事をしていたけど、


「でも別に、お前が早く帰ったところで意味なくね?
 お見舞いにでも行くの?」

「いえ……。
 亜由美さん、今家にいるんですよ」

「は?」


予想外の返しに、声を上げる那月さん。


あまり言いたくなかった。
あたしはずるい女だから……。

でもやっぱり、黙ってるのはもっと辛い。



「亜由美さん……。
 ちょっと俊之さんと、うまくいってないんです」

 
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