ワケあり!?社内恋愛
「そ、んなことないですよ……」
「じゃあ、朝いつも那月と一緒に行ってたのに、どうして急に早く行くようになったの?」
「それは午前中に業務が終わらなくなってきてて……。
ちょうど早く出社しようと思ってたんですよ」
「ふーん……?」
最初から用意していた答えを早口で述べたけど、やっぱり亜由美さんは納得のいっていない様子。
っていうか、どうしてあたしが、こんなにも責められないといけないんだろう……。
「……亜由美さん、は……」
本当は、あたしのほうが亜由美さんにいろいろ聞きたい。
手のひらでスカートをギュッと握り締めると、意を決して口を開いた。
「那月さんのこと……どう思ってるんですか……?」
伏せていた顔を上げ、じっと亜由美さんの顔を見つめた。
その言葉に、亜由美さんは意外にもきょとんとしていて……
「ただの友達」
「………え…?」
あまりにもあっけらかんというその言葉に、
こっちが拍子抜けしてしまった。