ワケあり!?社内恋愛

「あたしに無理やり自分の鍵を押し付けてきてさ。
 どっか行こうとすんの。

 だからさすがにそれは悪いと思って、ただの居候って形で一緒に住ませてもらってるだけだよ」

「そう、なんですか……」


内心、少しだけほっとしていた。


てっきりもう亜由美さんは、那月さんに心が揺らぎ始めていると思ったから……。



「でもやっぱり、ちょっと甘えすぎてるよね。
 今度ちゃんとまた、俊之と話さないと」



亜由美さんは笑って話しているけど
あたしには泣いているように見えた。



いつも強がって、弱みを見せない亜由美さんだけど
本当は今、俊之さんのことでどうしようもないほど苦しいんだ……。
 

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