ワケあり!?社内恋愛
 
「くら…ながさんっ……」

「もう今の高嶺さんを見てるの、正直辛い。
 もっと俺に甘えろって」

「……」


倉永さんは、後ろから抱きしめる腕の力を強めた。


不覚にもその腕の力強さが心地いいなんて思ってしまうあたしは
やっぱりずるい女。


「だめ、です……。
 あたしはまだっ……」

「聞きたくない」

「…っ」


腕を振りほどこうとしたのに
逆にその体を正面から抱きしめられてしまった。


すがりたくなる気持ちをなんとか抑え、その体を引き離そうとするけど
ビクともしないその力強さ。



「俺だってもう……

 2年も君に片想いしてるんだから」


「……」



報われない想いが
さまざまな方向に矢印が向いてる。


いったいどこを歪めれば
みんな幸せになれるんだろう……。
 
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