ワケあり!?社内恋愛
10章 彼女
俺が亜由美を好きになったのは
とくに理由なんかなかった。
同期として同じときに入社をして
一番話の合うやつ。
最初は
「こいつ、本当に女?」
なんて思うほど、相手を女として見ていなかったのに
いつの間にか一緒にいると居心地の良さを感じ、
それが恋心へと変わっていった。
だけどあいつには最初から彼氏がいたし
最初の頃こそは、こんな意味のない片想いなんかしてられないと思っていたから
適当に告白してきた子や、気になる程度くらいの女の子と付き合ってた。
でも嫌でも亜由美は俺の近くにいて
そんな亜由美の存在を消せるわけない。
自分の彼女よりも亜由美のことばかり思ってしまう自分。
いつしか俺は
亜由美を好きな自分を認め
ごまかして別の誰かと付き合うことをやめた。