ワケあり!?社内恋愛
「大丈夫か?」
「はい……なんとか…」


ぎゅうぎゅうの電車。

いつもはこんなに人がいっぱいなのが嫌で嫌で仕方なかったけど……


「ほら、もっとこっち来いよ」
「あ……」


背中に手を回し、自分のほうへ抱き寄せてくれる那月さん。


こんなこと…
他の人だったら絶対に嫌だ。


だけど相手が那月さんだから……



「……しがみついてても…いいですか…?」
「……ん」



もっともっと
電車がぎゅうぎゅうになればいいとさえ、思ってしまう。



あたしが無条件で
那月さんに触れられるこの電車。



もう想いが
暴走しそうだよ―――。
 

< 14 / 212 >

この作品をシェア

pagetop