ワケあり!?社内恋愛
 
「俊之の家って言っても、あたしの家でもあるし。
 フラれたにしても、あたしの私物いっぱいあるじゃん?3年間も住んでたんだし。

 それでちゃんと話し合って、それでも本当にダメそうだったら、新しい家見つかるまでは居座るわ。
 べつにその権利はあたしにもあるし」


「あ…そう、ですよね……」


確かに亜由美さんの言っていることは正論だ。


亜由美さんと俊之さんの住んでいる家は、もともと俊之さんが一人暮らしをしていた部屋だったらしい。
だけど付き合うようになって、亜由美さんがその部屋に転がりこむという形になり、二人はそのまま同棲に。

いくらもともとが俊之さんの部屋だとしても、3年と言う月日があれば、もう立派に亜由美さんの部屋でもあるのだ。


だけど気になったのは……



「話し合って、それでもダメだったら……って……
 やっぱり亜由美さんは、まだ俊之さんが……?」


「……当たり前じゃん。
 付き合ってもうすぐ6年だよ。
 そう簡単に嫌いになれるわけないじゃん」

「そうですよね……」


あたしには、6年も付き合ったことのある人なんていない。

そんなに長く付き合っていれば、
たとえ結婚という形をとっていなくても、自分の半身みたいなものなのかもしれない。
 
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