ワケあり!?社内恋愛
 
突然切り出された言葉に、
これ以上ないってくらい目が見開いて、
慌ててグラスを口につけた。


「な、何言ってるんですかっ……。
 あたしが那月さんのことっ……す、好きなわけないじゃないですかっ……」

「嘘下手すぎ。どもりすぎ」

「……」


目を泳がせながら必死に否定するあたしに、亜由美さんはただ呆れ顔で見ていて……。

 
「いや、でも……」
「もう素直になっていいよ。
 あたしにだって」
「……」


ため息を吐いて、優しい笑みを向けてきた亜由美さん。

それを見て、この人には嘘は通用しないって分かった。



「好きなんでしょ?」


「……はい」



こくりと頷いて、下へと俯いた。


好き。
本当は……。


誰よりも……。

 
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