ワケあり!?社内恋愛
 
一緒にいて、楽しいし
気遣いも優しさも抜群だと思う。


それに何より
自分を一番に見てくれる。


それでも……



「なーんで、こんなに那月さんばっかり……
 なんでしょうかねぇ」

「それ、俺に言う?」

「あはは」



お酒も結構回ってきていることもあり、愚痴さえこぼしてしまう。

普通なら怒るところも、笑って突っ込みを入れていて
それを許されるほどの空気を持っていた。


倉永さんといると楽しい。

倉永さんといると落ち着く。


倉永さんを……

好きになりたい。



そう思っているのに、
心はそう簡単には切り替えられなくて……。




「那月さぁん……」

「汐莉ちゃん、飲みすぎ」




いつもよりも多くのお酒をオーダーしていたあたしは
生まれて初めて、そこからの記憶をなくした。
 
< 168 / 212 >

この作品をシェア

pagetop