ワケあり!?社内恋愛
一緒にいて、楽しいし
気遣いも優しさも抜群だと思う。
それに何より
自分を一番に見てくれる。
それでも……
「なーんで、こんなに那月さんばっかり……
なんでしょうかねぇ」
「それ、俺に言う?」
「あはは」
お酒も結構回ってきていることもあり、愚痴さえこぼしてしまう。
普通なら怒るところも、笑って突っ込みを入れていて
それを許されるほどの空気を持っていた。
倉永さんといると楽しい。
倉永さんといると落ち着く。
倉永さんを……
好きになりたい。
そう思っているのに、
心はそう簡単には切り替えられなくて……。
「那月さぁん……」
「汐莉ちゃん、飲みすぎ」
いつもよりも多くのお酒をオーダーしていたあたしは
生まれて初めて、そこからの記憶をなくした。