ワケあり!?社内恋愛
「ずっと……亜由美のことが好きだった……。
あいつに彼氏がいるって分かってても、それでも諦めることなんかできなくて……
この先もずっと……あいつが結婚するまで……もしかしたらそれでも……ずっと亜由美を好きでいると思ってた」
「……」
「けど……
それと同じように、汐莉が俺のことを想ってくれてて……。
最初は正直それに甘えているだけだった。
だけど……
いつしかそんなお前が
心から愛しいと思ってる自分がいた」
「那月さん……」
トクントクン…と
どちらかも分からない鼓動が、抱きしめられる体越しに伝わってきて
じんわりと心が温かくなっていく。
「汐莉が俺から離れて……
初めて気づいた。
今の俺に必要なのは亜由美じゃない。
俺が欲しいと思うのは……
汐莉、ただ一人だって……」
「…っ」
どうかこれが夢なら
永遠に醒めないで……。