ワケあり!?社内恋愛
 
ずっと……

ずっと那月さんにとっての1番になりたかった。



2番目でいいと言いながら
本当はやっぱり1番でいたかった。

2番目も3番目もいらない。


自分だけを、って……。



「汐莉……」



ゆっくりと腕をとき
涙でぐちゃぐちゃになったあたしの顔を覗き込んできた。



「ごめんな。
 気づくの遅すぎて……」



目を細め、自分の気持ちを悔やむ顔。



そんなのいい。

今、那月さんがあたしを選んでくれるのなら……



あたしは………






ヴー、ヴー……


「っ!!」






途端に、現実へと呼び戻すかのように
震える携帯。


そこに表示されているのは

【倉永 彰】

という名前。
 
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