ワケあり!?社内恋愛
 
たとえ酔った勢いでも
あの時あった事実は消せなくて……。


たとえ覚えていなくても
それがあった事実はきっと確かで……。


「もう……
 遅いんですっ……」


今さら、那月さんのところへ
ほいほいと戻るわけにもいかない。


「それは……
 彰……倉永が好きだから?」


分かり切っているように
那月さんはそんな言葉を投げつけてきた。


一瞬ビクッと反応してしまう体。

それを肯定ととった那月さんは、痛々しい笑顔を作ると……



「そう、だよな……。
 いまさらだよな……。

 ごめん。困らせるようなこと言って……」



あたしの体を離した。
 
< 183 / 212 >

この作品をシェア

pagetop