ワケあり!?社内恋愛
14章 ありがとう
「おはよ」
「亜由美さん……。おはようございます…」
いつもと同じ朝。
相変わらず2本早い電車に乗ったあたしは、まだあまり人が来ていないフロアで一足先に仕事をしていた。
そんな背中を、軽くポンとたたかれた。
「……なんで早く来てるわけ」
「え……」
「那月と来てないんだ」
「……」
あたしが那月さんと一緒に出社していないことに不満を思った亜由美さんは、呆れ交じりの睨みをあたしに向ける。
確かに亜由美さんには、那月さんが好きだと告白した。
だけどあの時と今では、状況が違うわけで……。
「今日。ランチ。
二人で行くよ」
「……はい」
問答無用とも言わせる言葉。
あたしは亜由美さんの言葉に、ただ頷いた。