ワケあり!?社内恋愛
 
「那月さんの?」

「うん。実はね、那月も一緒に俊之に話しに来てくれたんだ。
 必死に俊之に弁解する那月に、俊之もその誠意が伝わったみたいで……」

「そう、なんですか……」


なんとなく想像がつく。

人のことで必死になる那月さんの姿。


那月さんはいつもそうやって
誰かのために一生懸命になれるから……。


「でもさ。普通、疑ってる相手が来たら、余計にこじれるのが当たり前でしょ?
 なのに、どうして俊之が那月の言うことを信用したと思う?」

「え?なんででしょう……」


確かに、俊之さんは、亜由美さんと那月さんが仲が良すぎて、浮気してるかもって疑ってた。

そんな疑っている相手の那月さんが来たら、口裏を合わせてるんじゃないかとも思えてしまう。



「好きな人がべつにいる、

 って言ってたからだよ」


「………え…」



その言葉に、何も返事が出来なくなってしまった。
 
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