ワケあり!?社内恋愛
「もうアンタも分かってるんでしょ?
っていうか、もう告白されたんじゃないの?」
「……」
亜由美さんは真剣な表情になってあたしを見つめる。
那月さんには確かに告白された。
予想だにしていなかった言葉。
夢にまで思ったその告白のはずなのに……
「……応え…られなかったんです……」
言葉にした途端、じわりと涙が浮かんできた。
ずっと自分の胸の中にしまいこんでいた想い……。
「応えられない?どうして?
汐莉はずっと那月のことが好きだったんじゃないの?」
「……あ、たしっ……本当に最低でバカな女でっ……。
せっかく那月さんがあたしを好きだと言ってくれたのに、その前にっ……」
あたしは、亜由美さんに全てを話した。
倉永さんに告白されていたこと。
前向きに考え、一緒に飲みに行ったこと。
そして気が付けば、
倉永さんと一夜をともにしていたこと……。